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…………
「葵。なんか言って?」
俺に追いつかれないように、葵が超急ぎ足で進んでいく。
イケメンと葵の組み合わせに、気が動転して、とんでもないことを口走った。
おかげで葵は無事、奪還できたけど…
絶対、絶対、怒らせた。
「葵…、待て。ほんと、俺、脚、つるから…」
ようやく、立ち止まった葵が、怒りを抑えた渋い顔で、俺を見上げる。
「冗談でも…」
「あ?」
「冗談でも、あんなこと言うなっ。……彼氏とか、そんなたやすく……」
葵の張り上げた声が、しりすぼみに小さくなる。耳まで赤くして、うつむいてしまう。
……かわいいよな。
葵は、やっぱり、女の子だ。
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