~ともだち~

15/15
前へ
/115ページ
次へ
「今は、ともだちだけど」 うつむいた葵の頭のてっぺんに向かって、話しかける 「…いずれ、彼氏になれたらって思ってる」 葵の頭が、ぴくりと動く。 まだ、下、見てろ。顔見たら、恥ずかしくて、言葉を失う。 「それは、本音。信じて」 葵の頭が、わずかに頷く。 ……よし。 髪に触れたくて、伸ばした手を、葵がひょいとかわす 「さ、帰ろ。…送ってくれるんでしょ」 何事もなかったかのようにすたすたと歩く、後ろ姿に、笑いが込み上げてくる。 「寄り道、しようぜ」 つかまえた手首は、やっぱり細くて。 俺のともだちは、葵は、女の子だ。 ……そう思った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おしまい・・・
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

313人が本棚に入れています
本棚に追加