~祭~

3/12
前へ
/115ページ
次へ
・・・―― 「はい、できた」 母さんの声とともに、襖がすっと開けられる。 「「おお」」 「きれいよ、まつり」 待ち受けていた、親父とまつりの両親がどよめく。 ……今年は、紺の浴衣。 色白のまつりによく似合う。山吹色の帯がきりりと涼やかで、母さんの着付けセンスを少し見直す。 「へへ…」 まつりが、照れ臭そうに両手を広げて、つつ…と回ってみせる 「どうかな、宗ちゃん」 見上げられて、つい目をそらす。 どう?って…… 「いいんじゃない?」 すごく 「似合う」 かわいい。最高。 俺の答えに満足したのか、まつりがにっこりと口角をもちあげる。 「じゃあ、行こう」 .
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

313人が本棚に入れています
本棚に追加