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「あ、曜君おはよー」
保健室。ここは本当に落ち着く。
曜子と喧嘩したり、勉強がうまくいかなかったりするときは、ここに来る。
だけど多分、なにより俺をここに惹き付ける理由の一つに、
ここの保健医の、きゃんち先生の存在もあるんだと思う。
「また何かあったのー?」
「うん、まぁ」
「無理しないで、ゆっくりしてってね」
きゃんちはいつもと変わらない笑顔で、変わらないトーンで話す。
「‥きゃんちは本当に優しいなあ」
「‥え、そう?」
「腹黒そうだけど」
「そんなことないもん」
こんなひとときが、今や俺の生活の大切な一つになっている。
「いやでも本当に。顔から優しさが出てるもん。その地味なメガネとみつあみとかさぁ」
「いいじゃない、似合ってるでしょ?」
「まあね。‥でもきゃんちはメガネ外した方が可愛いよ」
ほらまた、そうやって頬を赤らめたりするのも、可愛い。
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