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「先生を弄ばないで。彼女さんが怒っちゃうよ?」
「‥それがさあ」
「‥まさか、乾さんと上手くいってないの?」
「‥‥」
昨日のことを、簡潔に、きゃんちに打ち明けた。
口がすべって曜子を怒らせたこと。
そこから物を投げ合うような大喧嘩になったこと。
俺たちが¨倦怠期¨らしいこと。
「はは、なんか乾さんらしいね」
「‥俺たち倦怠期なのかなあ」
窓を開けると、春風にカーテンが靡いた。
それとともに薫る、きゃんちの髪の香り。
「‥倦怠期ってことは、それを乗り越えれば、まだまだやっていけるわけでしょ?」
「‥まあ、」
「ここで別れちゃうか、仲直りしていくのかは、曜君たちの自由だけどね」
メガネに埃がついた、とか言って、きゃんちはメガネを外した。
やっぱり可愛いよ。
「‥‥乾さんと私、どっちが可愛い?」
「‥え、ええっ!?」
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