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教室までの距離を二人で歩いた。
俺と曜子の間には、いつもより大きな間隔。
だけど、それは全く嫌な空気じゃなかった。
「喜屋武先生となに話してたの?」
「いや、別に‥」
「言えないようなことなんだー」
「ちがっ、寝不足だったから寝ようと思って‥」
「じゃあ寝ればよかったのに」
曜子が唇を尖らせる。
俺が思うに、こいつの癖だと思う。‥かまってほしいときの。
「‥寝るより」
「‥‥‥」
「寝るより曜子と話してる方がいいし」
「‥まあね」
『青春だねー』
‥青春、か。
青い春と書いて 青春。
今日は5月の青い空だった。
青い春は、まだまだこれからだ。
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