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あれから、2年が経ったって言うのに――…あの時の、彼女の言葉が忘れられない。
ふとした瞬間に思い出して、耳の中でこだまするんだ。
真っ赤なまぶたの裏で、幻聴にもがいて――
「――だぁあっ!! 止め止め!!」
思いっきり頭を振って、思考を散らした。
この暑さの中じゃ、思考もまともにできないっての!!
頭が霞んで、ぼやけるばかりだから。だから、幻聴なんか聞こえるんだ。
「…――んぱい?」
夏の暑さが悪いんだ。だから、暑いのは嫌いだ。
「伊織先輩?」
「うををおっ!?」
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