※電車という密室空間

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♪~♪~~ 「っ…!!」 …ただの着信音。 「はは…」 ビクビクしてる 自分の滑稽さに笑えてくる。 まだ震える指で 通話ボタンを押した。 『もしもーーし!!!』 思わず耳から離してしまうほどの声。 ―若葉ちゃん。 『あのさ今いつもの居酒屋に いるんだけど一緒に呑まない? 一人じゃつまんな… …蒼ちゃん?』 いつもの声なのに。 いつものトーンなのに。 なぜかひどく安心して。 忘れていた涙が 思い出したように 止めどなく溢れてきた。 .
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