※電車という密室空間

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若葉ちゃんは優しい。 言葉で言わなくても さっきみたいに感じてくれる。 心地よくて、 好き。 たぶんずっと前から。 駅を出てベンチに座る。 若葉ちゃんには 今日のこと、内緒にしよう。 これ以上心配かけたくない。 呑んで忘れよう。 若葉ちゃんとなら忘れられる気がする。 まだかな…? と時計を確認したら 後方からジャリっと 石を踏む音がした。 あ、若葉ちゃんだ! 胸を高鳴らせ振り向くと 「……え?」 「見つけた」 俺の大好きな声じゃない さっきの ――嘘だろ。 「え…なんで…」 「いきなり逃げちゃうからびっくりしたよ …空くん」 さっきの男が ニヤリと笑って立っていた。 END . ホラーや
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