送り火

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そんな朔の姿に土方は思わず噴き出した。 「何だそのへっぴり腰は」 「仕方ないじゃないですか!屋根の上なんて慣れて無いんですから!」 「土方さん!!朔さんを苛めないで下さいよ!朔さん、今行きますから無理しないで下さい!危ないですよ!」 土方の言葉に朔は顔を赤くしながら抗議するが、抗議すればする程、土方は面白そうに笑い、庭先では沖田が土方を非難しつつ、朔に手を貸そうと梯子のあるところまで駆け寄っていた。 これは、池田屋事件の後の、動乱の世が来るまでの僅かな幸せな時間の一幕。 送り火の夜の物語。             終
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