山崎の一日

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「山崎さん?私が平助と同じ様な被害に遭ってないのが不思議ですか?」 本当に、このお人は何でもお見通しやな。 「不本意ながら、以前はありましたよ?ですが…私は平助ほど優しくありませんから、容赦なく徹底的に撃退しましたから。それ以後はぱたりとなくなりましたね」 ………そら、被害もぱたりとなくなるやろな。 新撰組最強の男の逆鱗に触れ、とんでもない目に遭うと分かっとって、手を出そうとする強者は…おらんやろな。 「平助は優しすぎるんですよ。あぁ、ほら、相手があんな顔したくらいで申し訳なさそうに、おたおたしてたら、相手の思う壺だっていうのに」 確かに、藤堂はんのあの顔はあかんやろ。 押せばいけるって勘違いされても仕方あらへん。 しかし、そろそろ助けてやらなあかんやつやないか? 「全く世話がやけますね。……平助!!こんな所に居たんですね。土方さんが呼んでますよ」 普段はあんなんでも、最終的には沖田はんも優しくて、仲間思いなんだよなぁ。
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