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「悪巧みじゃないなら良いけれど…どこに行くのかくらい、そろそろ教えてくれても良いじゃない」
「あぁ、ほら見えてきた。あそこだよ」
藤堂はそう言うと、ある場所を指差した。
「あそこって…新八さんの部屋?」
「そう。おーい!新八っつぁん!左之!朔ちゃん連れてきたよ!」
藤堂がそう声を上げると、永倉の部屋の襖が開き、中から永倉と原田が顔を出した。
「お!やっと来たか。待ってたぜ嬢ちゃん」
原田は朔の姿を見ると破顔し、朔の方へやって来た。
「原田さんまで…一体何があるんですか?」
「まぁ、それは新八の部屋に入ってからのお楽しみってことで、ほら入った入った」
原田はそう言うと朔の背中をぐいぐいと押し、永倉の部屋へと押し込む。
「ちょっ…ちょっと原田さん!」
藤堂に引き続き強引な原田に朔が抗議の声を上げようと、後ろの原田へ顔を向けた時だった。
急に朔の視界が暗くなり、朔は小さな悲鳴を上げた。
何か布の様なものを被せられたようだ。
「な…何?」
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