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とても俺にとって大きな存在…
船長と仲良くなったのも、ゴルじいのお陰だ。
だがゴルじいも、もう年だ…
そろそろ仕事もキツいだろうし…
だからゴルじいの変わりになれるような男になるのが俺の夢であり目標だ。
「ソラ!」
「ふぁ…!ふぁい!」
いきなり背後から話し掛けられたので気の抜けたような声が出てしまった。
「よう!ちょっといいか?」
振り向くとそこには、このホワイトスパイダーには欠かせない船上員であり、副操縦士エイポック・エイボルト。
エイポックさんは体格ががっちりしていて程よく日焼けしてて、金色の短髪、灰色のタンクトップに迷彩柄の大きめなスボンに、黒くてゴツいブーツをはいている。
そして常に煙草を加えている…
が、火はついていない。
「エ、エイポックさん!お久しぶりです!今までどこにっていたんですか!?心配したんですよ!」
「あ~…わりぃわりぃ。ちょっとアモーキスに用があってな。まぁそんなことより、ちょっと仕事頼みたいんだけどいいか?」
「あ、アモーキスに…、あ!ちょっとゴルじいに話してきます!」
「おう!遅くなってもいいから操縦室にきてくれやっ」
俺は大きく頷き、勢いよくゴルじいを追いかけて行く。
なぜこんなに急いでいるのかと言うと、今すぐにでもエイポックさんにアモーキスの事が聞きたくて仕方なかったからだ。
アモーキスは人工空島の中で最も人口が多く、面積も広い、そして何よりも凄いのは敵から襲撃を受けてもビクともしない島を囲むように作られた灰色をした巨壁である。
俺は小さい頃、船長室から盗み出した一冊の本の表紙のアモーキスの写真に心を奪われた。
ずっとずっと憧れていた島なのだ…
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