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「たしかに報酬額は馬鹿デカイが、こんなの無理難題にも程がある。そこでだ…この依頼を、どうするかソラに決めて欲しいんだ。」
「なっ!なんで俺なんですか!?船長に話せばいいじゃないですか!?」
「そんなことはできねぇ。あいつは病気の体に鞭打ってまでやりたがるだろうからな。」
そういって、あきれた顔をしながら煙草をくわえてコーヒーをすするエイポックさん…
「でもなんで俺なんかに相談しようとおもったんですか…?」
するとエイポックさんは何かを決意したかのように煙草をくわえなおした。
「それはアカネの父ちゃん…。つまり前船長の『ライト』さんの遺言だからだよ…
アカネが馬鹿やりそうになったときにはソラに決めさせろっ て。」
「え…?…いま何て…?…」
閉まったはずの記憶がかすかに脳に甦る。
「落ち着け、ソラ。『あの』ことは思い出さなくていい。」
「え…あの…だって…ぁぁ…
うっ!…うわあぁあぁぁあぁっ!」
そして鮮明に思い出される閉ざしたはずの、拒絶したはずの記憶が…
「やめてっ!もうやめて!」
…とても鮮明に…とても残酷に…
「落ち着け!
落ち着くんだ、ソラ!」
「やめて!もう許して!お願いだから助けて!うわあぁああぁ!もうやめてぇええぇえぇ!」
頭を抱え叫びながらのたうち回る…
「ソラ!思い出すな!やめろ!」
そして突然、視界は暗くなり、俺の意識は何もかも拒絶するかのような闇に吸い込まれて、暗闇に消えていく。
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