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今日もいつもとかわることない一日だった。帰りの混雑した電車の中、辛うじてスペースを確保しながら僕はため息をついた。
東京の大学に入学することになり、家族から離れ、上京して早一年。期待していた大学生活は、僕にとって全く面白くないものだった。
何かに夢中になっていた高校時代とは違い、その場の楽しみだけを追いかけ、熱意を失った友人達を見ていると、なんだか空しい気分になってくる。
そこで僕は考え事を打ち切り、顔を上げるとすでに自分の住む駅に到着していた。
重たい足を引きずり、階段を上っていると、急いでいた中年のサラリーマンに肩を思い切りぶつけられた。
そのサラリーマンはこちらを見ようともせず、急いで階段を上がっていった。
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