正義の味方が現れた

2/7
前へ
/7ページ
次へ
「なあ、源田」 少年は自分の左で、両手もちの赤いゲームを夢中になってボタンをガチャガチャと押しまくっている少年に話しかけていた。 「ん、なんだバカ、くそっ、ちょこまかとなぁ……」 ゲーム画面を食い入るように見つめているのが、どうやら源田そのものらしい、小太り体型で、誰がどうみても「デブでちび」といってしまうような彼の細い目は一点を見つめたまんま動かない。 先ほどのどこからどう聞いても悪口にしか聞こえない言葉は、画面内を縦横無尽に動き回っている鳥のような生物にいっていたらしい。 やつを倒すくらいならば例えこの炎天下のもと、熱中症になってぶっ倒れてもお構い無しと言う熱気が彼から蒸発するおびただしい位の水蒸気がいやと言うほど物語ってくれている。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加