正義の味方が現れた

3/7
前へ
/7ページ
次へ
そんな彼が死んでしまう事と、これ以上彼のそばにいたら気が狂ってしまう二重苦を行きながらにして味わってしまっているのが、雨宮と言う少年である。 クラスメートが揃って「クラス一のバカ」といってしまうほどのバカである。 どれ程バカかと言うと、テストで四十点以上取ったことがない、英語でいきなり「あい すぴーく あめりかん」とワケわかんない英文を読み上げる、数学でバカの一つ覚えで使った公式を全く関係のない問題で書き、途中に(略)とワケわかんなくなったのか書いてしまう、様子を「ざます」と読んだのはもはや何にもない、彼にとっては普通になってしまっている、もはや誰も笑わない。 彼が何度も応答を願いつつ、無駄な行動と思いながら源田に話しかけていると突然 「いぃよっしぁあ! やっと倒したぜ、聖霊獣!」 彼が大声をあげ、拳を天に突き上げながら発狂するもんだから、雨宮は正直恥ずかしくなった。 どうやら画面中央で血を吐きながら白目を向いて力なく横たわっているねこまたのような生物が聖霊獣らしい、ゲームだが、恐ろしいほどリアルな描写に、バカは前からデブの精神状態は大丈夫か? デブで精神不安定となるともう結婚できないじゃあないかと親友としてものすごく心配していた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加