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遼一side
入学式が終わった後、俺は生徒指導室に呼ばれたが、無視して屋上に来ていた。
屋上は生徒立ち入り禁止になっている。
だからいつも俺1人。
夏は風が涼しいし、冬は太陽が心地いい。
俺は、ここが気に入っている。
「よっ、遼一。お前はほんと相変わらずだな」
そう言って1人の男が俺に近付いてくる。
「....椎名」
南椎名。こいつとは中学の時からのつるみだ。
屋上に来るのは俺とこいつくらいで、よく2人で授業をサボっている。
「お前今日暇か?」
椎名の問いに遼一は興味深そうにたずねた。
「なんかあるの?」
「北高の奴らと喧嘩すんだってさ。遼一も誘えって言われてんだけど」
遼一は少し考える素振りを見せて答えた。
「今日はパス、お前らだけで勝てるでしょ」
「珍しいな、いつもなら食い付いてくるのに。用事でもあんの?」
「ちょっとな」
「そうか」
そう言うと、椎名は笑って去っていった。
椎名が見えなくなると遼一は、一度大きな欠伸をした。
「さてと...」
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