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遼一side
倉庫に入ると、今朝の女が跳び箱に座っていた。
その女は俺の姿を確認すると、無言で俺に近付いてきた。
今朝のようなためらいはなく、どこか堂々としている。
「待っていたわ、遼一くん」
「......」
「私の名前は安藤くるみ。ご存知かしら?」
「今、知った」
「あら、そう...」
「......」
しばらく2人は見つめ合っていたが、そのうち安藤が口を開いた。
「単刀直入に言うわ。アナタが好きなの。付き合って欲しいと思ってる」
遼一は少し間をあけて答えた。
「断る」
その答えに安藤の顔が険しくなった。
「どうして?彼女居ないんでしょ?」
「居ないけど、それが何?」
安藤は,顔をさらに険しくした。
「そう....いいわ。無理矢理にでも....」
安藤が拳をグッと握った
その時
どこに隠れていたのか、倉庫のいたる所から6人の男が現れた。
「.....なんの真似?」
「九条遼一。無理矢理にでも付き合ってもらうわ」
6人の男が、遼一を取り囲むように輪になった。
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