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遼一side
俺は1人で廊下を歩いていた。
もうすぐホームルーム始まりの時刻だが、そんなの俺の知った事じゃない。
ふと立ち止まり、窓の外に目をやると
新入生2人が騒いでいる。
「ノンキな奴ら...」
そう漏らし、空を見上げる。
雲ひとつない青い空。
眩しすぎる太陽に目を細める。
その時、背後から声を掛けられた。
「あ...あの、遼一くん..」
その声に振り返ると、1人の女の子が立っていた。
セミロングの髪を横でひとつに結んでいる可愛らしい女の子だ。
その子は少し顔を俯けて、恥ずかしげにこちらを見ている。
「何?なんか用事?」
「あの..話があって...」
「話って?」
「ここじゃ、ちょっと..」
そう言って俯く彼女。
めんどくさい女...
俺はこういう女が1番嫌いなんだよ。
「じゃ、放課後。体育館倉庫で待ってるから。」
そう言ってその場を立ち去る。
こんな女に構っているほど俺は暇じゃない。
後ろで、さっきの女が何か言っていたような気がしたが、聞こえないフリをした。
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