プロローグ

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モデルを目指してこの世界に来たんじゃない。 女優さんになりたかった。 小学生のころに見た町の劇団に憧れて、小さな舞台をいくつかまわった。 小劇場をまわる旅はそのすべてがすばらしく、あたしを夢中にした。 16歳になる前、高校には行かずに、東京へ行こうと思った。 ろくに学校にも行かなかったあたしは、東京へさえ行けばなんとかなると思ってた。 毎日舞台の上で 仲間たちと励ましあって 大人たちには可愛がってもらう。 歓声と拍手が好き。 その為ならちょっとの貧乏にも耐えよう。 その為ならなんでもしよう。 現実は空想のまま 甘く優しいものだと思ってた。
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