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とりとめもない穏やかな日常。
雀の囀ずりが響く早朝に、彼は自転車を走らせる。
朝露で湿った空気で肺を満たし、目的の場所へと急いだ。
日課…。という程でもないが、彼は密かに続けている事がある。
平日は毎朝走る通学路の途中、彼の家から遠くない場所に位置するバス停。
そこで十分間だけ立ち止まるのだ。
それは今日も変わらず、彼は待っている。
「………あっ」
この先の運命を変える、小さなきっかけを…。
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