朝に咲く花

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「…………」 彼の視界は、待っていたモノで埋め尽くされる。 自分と同じ高校の制服。 どこか儚げで、大人しそうな表情。 必ず読んでいる小説。 彼女を初めて見たのは、入学式の朝だった。 思ったより手間取った準備のせいで、焦りながらペダルを漕いでいた。 そんな中、今日と変わらない姿の彼女を見て、彼の時は止まる。 急いでいた事も忘れ、バスが彼女を乗せていくまで見つめていた。
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