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巨大な掲示板。
大量の文字の中に、やっと自分の名前を見つけた。
「弥白、クラス判った?」
人混みを掻き分けて、純がわたしに寄ってくる。
「あ、純。C組だったよ」
「そっか。頑張って友達作るんだぞー?」
純はいつもの悪戯っぽい笑みで、わたしの頭をくしゃくしゃに撫でた。
「……子供じゃないんだから。
ほら、さっさと戻んなよ。連れの人待ってるよ」
わたし達より少し離れた所で、純と同じくらいの身長の男がこちらを見ていた。
「聖史は本当せっかちだなー。
仕方ねぇ、戻るわ。
またな、弥白」
「うん、またね。
…………ふぅ」
純の姿が遠くなったことを確認してから、溜め息を吐いた。
入試を受けた時から、でかい高校だとは思っていたけれど……。
どこもかしこも人、人、人。
それも、全員同じ一年生だというのだから恐ろしい。
周りでは既に仲良し組が何人か固まっているみたいで、わたしは一気に心細くなる。
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