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「あ、里緒菜ー!里緒菜は何組だった?」
先程のバカそうな男に里緒菜と呼ばれたその子は、わたしにニコッと微笑んだ。
長い髪に、綺麗な顔立ち。
少し、似てる。
……ような、気がする。
和花を思い出して、思わず見惚れてしまった。
「りーおーなぁぁぁ!無視しないでぇー!!」
「……本っ当にお前はうるさいな……」
あの二人はまだ喧しく、しつこく彼女を呼ぶ。
彼女はわたしに手を振って、二人の元へ駆け寄っていった。
「もう、静真は朝からうるさいなぁー」
「!? 里緒菜まで俺を邪険にするの?!」
「あはは、なにそれ」
遠くなっていく賑やかな声。
わたしは彼女に見惚れてしまったことが恥ずかしくなって、急いで教室へ走り出した。
……『りおな』
可愛い名前……。
………………
…………
……
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