7.×××

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「あ、里緒菜ー!里緒菜は何組だった?」 先程のバカそうな男に里緒菜と呼ばれたその子は、わたしにニコッと微笑んだ。 長い髪に、綺麗な顔立ち。 少し、似てる。 ……ような、気がする。 和花を思い出して、思わず見惚れてしまった。 「りーおーなぁぁぁ!無視しないでぇー!!」 「……本っ当にお前はうるさいな……」 あの二人はまだ喧しく、しつこく彼女を呼ぶ。 彼女はわたしに手を振って、二人の元へ駆け寄っていった。 「もう、静真は朝からうるさいなぁー」 「!? 里緒菜まで俺を邪険にするの?!」 「あはは、なにそれ」 遠くなっていく賑やかな声。 わたしは彼女に見惚れてしまったことが恥ずかしくなって、急いで教室へ走り出した。 ……『りおな』 可愛い名前……。 ……………… ………… …… .
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