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「えーっ!紺野くんにオッケーもらったの?」
「しーッ!!ちょっと和花(のどか)、声でかいよっ」
「ご、ごめん……。
でもおめでとう!カナずっと紺野くん好きだって言ってたから……嬉しくて」
中学三年生。
世間では現在、高校受験真っ只中。
しかし、エスカレーター式の彼女達には特に関係がなく、呑気にジュースにお菓子、恋バナで大盛り上がりだ。
どうやら先日、めでたくカナの恋が成就したらしい。
和花は自分のことのように、嬉しそうに笑っていた。
カナは恥ずかしそうに、紺野と付き合うまでの経緯を和花に話している。
今日はもう、ずっとこの話題なんだろうな、と思った。
まるで夕方のニュースのようだ。
わたしは毎日繰り返される似たような恋の話に、少しだけうんざりしていた。
なので、ひたすらに目の前に広がる魅力的なお菓子たちを頬張り、大好きなミルクティーでそれらを流し込む。
何を食べても太らない体質にわたしを生んでくれた母に、感謝。
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