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女の子のおしゃべりというのは、止まることを知らない。
残念ながらわたしは、その楽しさがよく解らない。
多分わたしは、他の人とは少し違うから。
何個目かのチョコマシュマロに手を伸ばしたとき、和花がこちらを見た。
「弥白(やしろ)は好きな人いないの?」
唐突に話を振られ、思わずマシュマロはわたしの口ではなく、足元に転がってゆく。
「弥白?」
「え。あぁ……、」
「やだなぁ~和花。弥白に居るわけないじゃん!
弥白って全然そーゆーの興味ないんだから」
丁度良くカナが割り込んでくれて助かった。
和花は
「そうなのー……?」
と少しむくれて、こちらを見ている。
わたしは、ミルクティーを一口飲み込んでから
「期待に答えられなくてごめんね?」
と軽く笑った。
「和花はともかくとして。
弥白はこの先、彼氏出来るのかねぇ。カナさんは少し心配だよ?」
「まーた自分が彼氏出来たからって。余計なお世話だわー。
……ちょっとトイレ行ってくるね」
「んー」
わたしは、カナに悪態を吐きつつ、足元のマシュマロを拾い上げてティッシュに包んだ。
途中、それをゴミ箱に放り投げ、教室を出る。
ドアを閉めて二人の声が小さくなってから、大きなため息を吐いた。
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