乖離

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「ねぇ、花菜・・・僕はここにいるんだよ。他に、何が必要なの」   駄目だ、あれを思い出させないでくれ。   僕はもう、あの場所から抜け出したんだ。 「僕を見てよ」   僕が必要だと言ってよ。   僕の後ろに、他の何かを見ないでよ。 「僕は、花菜といたいんだ。花菜じゃなきゃ駄目なんだ。ねぇ、僕といてよ。僕と一緒にいて、笑ってよ」   君の笑顔が好きだから。   僕をあたためてくれるから。 「じゃあ、どうして運命なんて必要なの。僕がいるだけじゃ駄目なの」   それはもう理由なんだろうか。   ただいるだけじゃ、駄目なんだろうか。
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