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「どうした?真雪。」
「えっ?あぁ、うん!何でもないよ!ちょっとボーっとしちゃっただけ。」
「そうか、なら良いんだが……何か悩み事があるのかと思ってな。」
「大丈夫大丈夫!私はこの通り超元気だから!」
私は片腕の袖を捲り、ガッツポーズをしてみせる……が貧弱な私の腕には力瘤は出来ずにただちょっと筋張っただけだった。我ながら情けない。そんな私の姿を穏やかな表情で見下ろす涼くん。私の頭をポンポンと撫でる。
「真雪は努力家だな。ただあまり気を張りすぎても疲れてしまうぞ。たまには頼る事も大切だ。良いな?」
「う、うん。ありが……とう。」
暖かく優しい手に触れられて、少しドキドキする。そして少し照れ臭い。そんな気持ちが入り混じった感情。この気持ちは、なんていう名前なんだろうか。何だかとても懐かしくなる。
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