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私はとりあえず部屋から出るとキッチンへ向かう。今日はちょっと色々あったからご飯作れなかったな……と考えながら歩いていると、涼くんと鉢合わせする。
「おはよう真雪。よく眠れたか?」
「うん。大丈夫!心配かけちゃってゴメン。すぐご飯用意するから。」
涼くんは心配そうに私を見て、何か言いたげな顔をしている。私が「どうしたの?」と尋ねれば、「……済まない、朝はインスタントで済ませてしまったんだ。」と涼くんはガックリと肩を落とす。
「そうだったんだ、じゃあ、お昼は私が作るからさ!」
「……本当か?」
「うん。もちろんだよ!」
「そうか、ありがとう。インスタントを久々に食べたんだが……やはり真雪の料理の方が、俺は好きだ。」
私の料理を楽しみにしてくれている人が居て、料理って楽しいな。と感じる事が増えたと思う。お母さんが喜んでくれるのも勿論嬉しい、けど佐伯家に来てから更にそう感じる事が強くなった気がする。やっぱりみんなで食べるご飯が美味しいからだよね……お父さんが生きてたら、食べさせてあげたかったな。
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