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「お前がきもちわるいのは身に染みてるからさ、理解してくんない? 俺達は神様を守る為にやってんの。お前も赤ちゃんになる道のりを鮮明に覚えてるだろ? あれだ。神様を赤ちゃんにした時に散らばった悪の力が俺達を赤ちゃんにしたんだ。だから俺は悪を殺す。お前も悪を殺せ」
「お前を悪だと認識したらぶっ殺していいのかな?」
ちゃっかり俺の悪口を挟みやがって。
「その場合は俺がお前を殺す。この魔導書でな。第一章、世の理を乱す事無し。理は変わらず、揺らがない世界の力を借り、数多の神々はその理を信じ、私も信じるだろう。第二章――」
「うるせぇ! 長いんですけど!? ネタもほどほどにしてくれないかな?」
「うるさいのはお前だ。焼き殺すぞ」
「あっ……そうすか。てか、その悪とやらを殺したら戻れるのか?」
「ああ。まあな」
「よし乗った」
アホに付き合ってやるのも疲れたし、まあいいや。ってかその他の赤ちゃん達からの目線が痛い。
「じゃあはい、これ」
アホ赤ちゃんが赤い剣を俺に手渡して来た。なにこれ。
「この契約剣を持っておけ。現実には持って行けないが、呼び出したいときに『あひぃん、いっちゃう、らめえ、らめらのぉお』って言えばいつでも呼び出せるぞ」
「突っ込まないよ?」
「別にいいけどその掛け声は嘘だからいつまで経っても呼び出せないよ」
「じゃあ教えろよ!」
「神よ力の片鱗を授けたまえ、だ」
ようやくまともに話すようになってきた。ファンタジーの臭いがする物の、赤ちゃんしかいないのでちょっと腑に落ちない。
「じゃ、お前も晴れて俺達の仲間だし、頑張れよ」
気が付けば、意識が遠退いて行った。
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