第一章

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佐藤先生が私を訪ねて来てくれてその事実を知った。 私は希望を失った。 佐藤先生から一枚の手紙を受け取った。姉の文字だった。読むのが怖かった。 りっちゃんへ ごめんね。お姉ちゃんを許してね。 お姉ちゃん弱かった。強くなんてなかった。お母さんみたいにはなれないや。(お母さんとは佐藤先生のこと) りっちゃんごめんね。りっちゃんは強く生きてね。 学校が怖いよ。 りっちゃんと同い年の子たちなのに。あそこまで怖いものなんてないよ。 りっちゃんは今のままでいてね。 周りの子たちに流されたりしないでね。 綺麗で立派な大人になってね。 ごめんね。駄目なお姉ちゃんをゆるしてね。 鈴木理沙 手紙はインクが浮いてしまって、とても読めたものではなかった。 私の涙と姉の涙で。
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