虎の子

『ニャー』

「ハハッ」

何を言ってるか全然わからないのに
子猫がなついてくれることが嬉しい

こいつなら大人の虎になっても仲良くやっていけそうだな

ここにいる虎は毎日人間に世話されていることもあって
人間を怖がらず、襲ったりもしない

俺が眠っている虎の前でうろちょろ出来るのもそれが理由だ

「でもお前･･･他に虎なんて･･･」

部屋を見渡しても他に虎はいない

ていうかここに２匹以上虎が入るスペースはない

「うーん」

『ニャー』

「ん？」

部屋を見渡していると
左右対称の壁が目に止まった

壁というかドアのようだ