5.君が居ない夜と孤独

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「侑李様、泣かないでください…。」 「僕の大切な人…奪わないでよ…っ!」 「侑李様…っ」 雄也は僕の何だって知ってると思う。 もちろん僕も、雄也の何だって知ってる。 たまたま中学で同じクラスになって仲良くなって…そこから雄也は親が居ないことを知った。それから施設に居ることも。 高校になると同時に施設から出なくちゃ行けなくて、行き場を失った雄也はバイト感覚で僕の家の執事になった。 中学のころ、僕がいじめられそうになった時だって雄也は助けてくれた。 誰かに襲われそうになった夜だって、僕が寝るまで手を握っててくれた。 雄也には本当に感謝してる、それはこれからも。 でも、雄也。 大切な人が居なくなる気持ちはわかるでしょう? 寂しいよ、苦しいよ。 「侑李様…私じゃだめなのですか?」 「え…?」
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