6.加速する気持ちと募る想い。

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少しするとインターホンが鳴って玄関に向かった。 「おはよ、龍太郎」 「うん」 短い挨拶を交わして中に誘導した。 「龍太郎、これ…」 「あぁ何か何もやる気起きなくて。汚くてごめん」 散らかった真っ暗な部屋を見て涼介が言った。 「カーテンくらい開けろよな、」 そう言うと黒いカーテンを一気に開けた。 「やめろよ、眩しい。」 俺は再びカーテンを閉めた。 「お前なぁ、目覚ませよ」 「……覚めてるよ、」 とっくに覚めてるよ、侑李が居ない現実に。 「お前がこんなんでどうするんだよっ!」 「うるせぇな……。」
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