6.加速する気持ちと募る想い。

8/9
前へ
/109ページ
次へ
―――――――――・・・ あれから、1ヶ月近く経ったのだろうか。 俺は髪の毛を切ったり、スポーツジムに通ったりしていた。 まぁ侑李への気持ちは相変わらずだけど。 裕翔も約束通り侑李の様子を教えてくれる。…でも、食事をあまり取っていないらしくて、かなり心配だった。 涼介も、俺の家にちょくちょく来てご飯を作ったりしてくれる。 本当に突然。 偶然に近い……。 いつものようにスポーツジムに向かっていた。 音楽を聞いて携帯を弄っていつもの道を歩いていた。 「いた…っ/」 「あっ、すいませ……!!」 誰かにぶつかって慌てて携帯をしまってイヤホンを外して振り返ると、 侑李が居たんだ…、もうガリガリに痩せた侑李が。 「侑李…?」 「りゅ、りゅうたろ…っ/?」 俺と気付いた瞬間ぎゅうっと抱き着いてきた。 「お前…っ、こんなに痩せやがって…/」 細すぎて抱きしめたら折れちまいそう…っ/ 「会いたかったよぉ…っ、りゅう…っ/」 「俺もだよ…っ、心配したんだからな…/」 「ふぇ…っ、」 久々に会ったからか、今まで心の奥底に閉じ込めた想いが波のように流れて、溢れて…どうにかなっちまいそうだ…。 やっぱり泣き出した侑李の頭を撫でた。 「泣くな…。」
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加