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「僕…龍太郎が居なきゃだめなの…っ!お願い、2人で何処か遠くに行こう…?」
「でも…っ」
真っ直ぐ見つめる瞳には純粋そのもので戸惑いも迷いもそんなの無くて、強い気持ちが伝わってきた。
「お願い…っ!」
侑李は俺の胸に顔を埋めた。
侑李にこうやって会えたのはすごく嬉しい。
でも再びあのように同じ事が起きたら、傷付くのは紛れもなく侑李で、簡単な気持ちでこいつを連れ出せない…。
次捕まったらもう2度と会えないかもしれないじゃんか…。
「侑李…本当に俺でいいのか?」
本当に生涯2人だけでも、相手が俺なんかでいいのか?
「うん…っ!龍太郎しか無理なの…」
「じゃあ、侑李の家行って説得するよ。急に居なくなったら心配するだろうし…そうじゃなきゃ俺が嫌だ」
「ありがとう…龍太郎っ」
何で俺はこんな冷静なのだろう。
久々に最愛の人に会えたのに内心は凄い焦ってるのに…。
「侑李、立てる?」
「無理、かも…っ」
「じゃあ乗れ」
こうして侑李の自宅に向かった。
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