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………朝、か…そう心の中で呟き、俺は上体を起こしてからベットから下りてう~んと背伸びをする。
「ふぁ~あ……もう朝か…」
俺は軽く欠伸をして、すぐ横のカーテンを開ける。
禍譲尚也(かじょうなおや)。それが俺の名だ。今日から高校一年生になる。
「しっかし相変わらずいい天気だな…」
実を言うと俺には秘密がある。それは………
プルルルルルル
と、そこで近くのテーブルの上へ置いてあった俺の携帯が電子音と共に小さい振動を起こす。俺はダラダラと動き、携帯を取って開き、耳に当てる。
「もしもし?どなたでしょうか……」
『もしもしっ!!ナオ!今どこにいるのぉっ!!』
と、馬鹿でかい声が俺の鼓膜を突き破るんじゃないかくらい響く。この声は俺の幼なじみの声だな…
「ん~まだ家だが?」
と、とりあえず返事を返す。
『今何時だと思ってんのよ!』
怒り浸透の幼なじみの言葉を聞き、俺はベットの横に置いていた時計を見る。
AM7:55
………………………ってヤベェ!!学校が8時20分でここから歩いて40分ぐらいかかるから今から急がねぇとまずいッ!!
「スマン!今から急いで行くから!じゃっ!」
と言って俺は電話を切り、急いで着替えをし、鞄を持って家を出る。
「うォォォォォォォォッ!!!もっと速くだ俺の足よォォォォォォォォッ!!」
そして十分後……学校の近くまで来た証拠となる公園の入り口にまで、俺は走って来た。ちょうどそこに俺の幼なじみがいた。
「スマン!待たしたな!」
「ったく……いつまで待たしてんのよ……」
茶色いショートヘアーに俺と同じ制服。その華奢な体つきから周りの男の目を引きそうな感じを漂わせている俺の幼なじみで名が真颯春奈(しんそうはるな)こと春奈が俺の挨拶に呆れて答える。
「ずっと寝ていた……」
「ったく…今日も『仕事』あるから来なさいよ…」
『仕事』……か…そういや説明してなかったな…俺の秘密…俺とこの春奈は……………
特殊能力者だ。
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