アイツとの出会い

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入学式が終わり、放課後。俺は人気の無い道を歩いている。 俺は今から組織のアジトへ行く所だ。 組織のことは表の人間は知らない。人間のドロドロした欲と殺しが交わる裏社会の人間なら知っているヤツらが多い。 組織のアジトは世界中に30ヵ所あり、一つのアジトに5、6人の能力者がいる。俺が向かっているのは日本第二アジト。そこが俺の所属するアジトだ。 俺は鞄から手鏡を取り出し、自身の顔を見る。 相変わらずのつり目。髪は黒の少しツンとした髪。つり目のせいで不機嫌顔に見える。カズや春奈、他の仲間からは整った顔立ちと言われているが……… そんな事はさて置き、アジトの入り口の扉に着いた。扉の横に付いている指紋認識装置に手を当てる。ピーという音と共に扉が開き、俺は中に入る。 再び扉が動き、閉まる。まだ誰も来ていなかった。 俺はこの部屋…通称ブリーフィングルームの真ん中に置いてあるテーブルに自身の鞄を置き、周りを見る。 ここはブリーフィングルームなのだが、テーブルとそれを囲む様に置いてあるイスというこの部屋にあって良いもの以外に、ビリヤードやダーツ、冷蔵庫やキッチンなど不必要なものが相変わらず置かれてある。まぁ情報収集の為のパソコン機器はいいとして…………と毎回思う。 すると突然、ヒシリとした冷たい感覚が俺の背中に伝わった。 長い年月を組織の仕事で過ごしていたから分かる。これは………… 殺気だ。 俺は考えるより先にソーコムと呼ばれる信頼性のある銃を改造した自身の愛用拳銃…ソーコム・ピストル〝オーバーモデル″を懐から抜き、殺気の感じる方向へ向ける。 するとその方向から声がした。 「組織での定義の一つ……『なるべく対処出来る所は能力を使わず、自身の火器で対処せよ』…合格ね」 そして出てきたのは………………… 朝、学校で睨んできた黒髪ポニーテール少女だった。
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