0人が本棚に入れています
本棚に追加
(コイツ……)
俺は今、黒髪ポニーテールの女子に愛銃を向けている。
何者だ、という言葉を飲み込み、俺は若干殺気を放つ。しかもコイツ、組織の定義の一つを言いやがった。
しかも、朝睨みやがったヤツじゃねぇか。すると女子が殺気を抑え、一言。
「私はアンタと同じ組織……『夢幻の境地に立つ者』(ファングクリエイターセクト)の戦闘部に属する桐原里紗(きりはらりさ)。今日から日本第二アジトに所属になったわ」
そして女子……桐原は少し笑顔で…
「よろしく!」
と、言いやがった。しかもこのアジト所属!?取り敢えず俺は銃をしまい、桐原に質問する。
「元の所属アジトは?」
「イタリアの第四アジトよ」
イタリアって。帰国子女か?まぁ名前からして日本人だと思うが…
にしてもよく見たら……………か、かわいい。春奈と比べても同じぐらいかわいいし。い、いかん。
「アンタが『例のヤツ』……禍譲尚也ね」
俺の名前を知っている………?
「禍譲尚也……戦闘スキルにおいてはBランク。潜入スキルはSSランク。情報・解析スキルはCランク。結構優秀っちゃ優秀だけど、本人は組織を辞めたいそうね」
…………そこまで調べたのか。中々だなコイツは。なら俺からも聞くか。
「お前はどうなんだ?」
俺の問いに桐原は私?と反応して答える。
「戦闘スキルはSSSランク。潜入スキルはBランク。情報・解析スキルはSランクよ」
…………………………は?あの女、今なんつった?SSSランクだって?………それって最高ランクじゃん。俺の知っているヤツでもSSSランクなんていねぇぞ!?
「…マジかよ」
「そうよ?驚いた?」
ヤベェ……何も言えねぇ……にしても……
「お前さっき俺のこと『例のヤツ』つったろ?何なんだソレ?」
桐原は腕を組んで答える。理由、気になるんだよな。
「それは『特異体質』を持った諜報部のスペシャリストと呼ばれているヤツがこのアジトに所属しているって聞いて、私が勝手に呼称したのよ。悪い?」
最初のコメントを投稿しよう!