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「いえ、済みません。余計な口出しでしょうけれど、頑張りすぎて倒れたら。専属をすぐに変えられてしまうと思うんですよね。アタシはアナタを応援したいんです。いつもあの方の為だけに毎日駆け回って頑張っているようですから。他のジェノバ様狙いの真珠組と赤薔薇組のお馬鹿なメイドより、アタシはアナタが良いと思うんですよね」
褒められて、いるのでしょうか。
「は、はぁ……。 えっ、ジェノバさんの専属メイドの希望ってもしかして多いんです、か?」
「そうですよ、アタシが聞いただけでも30人位は居ます。赤薔薇のトップスリーは毎月希望を出しているようですよ」
さっ30人!?
「ええーっ!? そ、そうなんですかっ!?」
嘘! そんなに居るなんて全然想像もしてなかった。でもそうだよね、人気あるに決まってる。ジェノバさんは、とても優しいし、カッコイイし、あの……剣を打つ時の真剣で真面目な姿。飛び散る汗や火花すら、似合ってて。声も、耳も、まつ毛も、何もかも。綺麗で渋くて、素敵だもん。私だって……あっイヤッ違うッ! ダブレスとメイドの恋なんて御法度御法度! ジェノバさんに失礼だわ。
「まあそりゃそうでしょう。あのルックスで、しかもアイゼル最高の鍛冶師なんですから。だから、目を付けられているのはアナタもですよ雨宮アカリ」
「あ、たし?」
「そう。アナタ、ジェノバ様が直接真珠組に専属メイドの指名書を提出して来たらしいじゃないですか。こんなの前代未聞ですよ」
「良くご存知なんですね?」
「アタシ元真珠なので。真珠に友達多いんです。前のとその前のジェノバ様の専属メイドは、真珠組のスーパーカリスマギャルと、赤薔薇組のハイパー怪力女でした」
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