鍛冶の堅物男と珈琲メイド娘。

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「私メイドにお友達が居ないので、凄く嬉しいです。まめ組でも実はちょっと浮いてて」 「でしょうね」 「っひどいです~」 「ふふ。さあ、立って下さい。私は見回りの仕事がありますので。ちゃんとお風呂に入ってベッドで寝ないと駄目ですよ」  そう言いながらきらりちゃんは、私の背中の土をはたいてくれた。小さいけど、マメだらけの とても頑張っている手。きっと沢山努力しているんだ。このガーデンが美しいのは、きらりちゃんの心がキラキラしてるから。触れられて、余計にそれがわかる。   「あかり、誰に何か嫌味を言われても。余計なことだと気にしない方が良いと思います。前の専属二人が辞めてから二年、ジェノバ様は専属なんてもう取る気は無いとおっしゃっていたのに。なのに急にあなたを指名した。その理由がいつか、わかると良いですね」 「ありがとう、頑張ります。明日、朝ご飯一緒に食べませんか?」 「ええ。良いですよ。いつも朝食堂に居ますよね。私もあの時間に朝食を食べるんです。相席させて下さい」 「っはい!」 「あ、そうだもう一つだけ忠告。鍛冶場と私室の掃除依頼。まじょ組に出すべきだと思います。一人でこなすには限界があるでしょう。私の同期を紹介しますから、一度頼ってみては?」 「まじょ組かぁ」 「掃除なんてきりがないでしょう? 一日一時間だけでも、まじょ組の誰かに来てもらって手伝って貰った方が。あかりも楽になると思いますよ」 「うん、ありがとう。考えてみます」
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