鍛冶の堅物男と珈琲メイド娘。

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「おやすみなさい」  きらりちゃんに手を振って、お別れした。すぐにお風呂に入って、グッスリ眠る。仲間が居るという安心感。独りじゃないことへの誇り。私少しずつ、メイドとして人として、成長出来てるのかな。  翌朝。目覚ましで起きれなかった私は、何故か七時に起きた。そう――初めての寝坊。 「イヤァぁぁ~!!」  超高速で着替え、歯を磨き。服を着替えて、髪をツインテールに結って転がるように階段を降り。真珠組に飛び込む。 「あっあっ雨宮 朱里ッ! しゅっ、しゅっ、出勤、します~!」 「やっと起きたの? お早う、雨宮 朱里さん」  いつもの受け付けの、金髪ボブカールのお姉さんメイド。ああ、呆れ顔ですよね~。 「だから言ったでしょう。休みを取りなさいって。本日わたくしから直接サラクレア・ジェノバール様に直訴しに行かせて下さい」 「はぁっはぁっ、じ、直訴?」  這いつくばりながら、べったべたの手で出勤名簿に名前と時間を書く。 「メイドはここ、アイゼル城の商品です。貴女の主が創っている、武具と同じなのですよ。粗末に扱うのはダブレスにも責任があります。鏡をもう一度見てきなさい、前髪の寝癖」 「っジェノバさんは悪くない! 私がジェノバさんの言い付けを無視して休みを取らずに働いているだけです! どうしてみんなジェノバさんの悪口ばかり言うの!? 好きになられたいからって、他の子から目を背けたいからって勝手よ。あの人が何をしたって言うんですか。あの人は本当は弱くてどうしょもなくって。誰かを殺すための武器なんか作りたくないのに。なのに! でもみんなを守る為に必死なのよ!!」
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