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「あかりさんっ! 寝坊だったんですかっ?」
「は、はぃ、そう。すみません」
かなり、早足で。私とタイムくんは鍛冶場への道をズンズン歩いた。
途中、ガーデンへ寄り。きらりちゃんにガチ謝りした。「ばーか」と笑われて、明日こそ一緒に朝ご飯食べようねと言ってくれたきらりちゃんは、やっぱり可愛いくて癒し系。ちょっとだけ、ほっこり。仕事の邪魔になると悪いから、すぐにガーデンを後にして鍛冶場への道を再び歩き出す。
私の本当の気持ちを知ってしまったタイムくんは、なんだかニヤニヤ。
ジェノバさんは、どう思うんだろう。私の気持ちを知っても、なんとも思わない、かな。どんな反応を見せるのかな。
「どうせ寝不足なんだろうから。明日は休め! って言え! って言ってましたよっ! ジェノバ師匠」
「ああー。はい……。ごめんなさい、迷惑掛けて。ちゃんと寝てるつもりだったのですがー」
「風邪とかひいてなくって良かったですっ! ただの寝坊だって言ったら、きっと師匠、安心しますよっ」
タイムくん。こんな遠くにまで迎えに来て下さって。面倒な事をさせちゃったな。私、専属失格だ。あの人の怒った顔も困った顔も、絶対に見たくないのに。
「師匠も、明日はちゃんとした休みを取るようですよ」
「え? なっ、なんでです?」
「さっきの真珠の金髪のお姉さんが、昨日鍛冶場に来て~。あっ、あかりさんあの時丁度居なかったんですよね、洗濯物運んでて。それでぇ、言われたんですよーっ。こう、オシャレ眼鏡をくいっと上げて。『アンタが休まないから、あかりも休めないのよっ。ざーけーんーなっ』キラッ! って!」
そんなキャラでした!?
「で、でも! ジェノバさん、鍛冶をしない日だってあるじゃないですかっ」
「んまあ~、あるにはありますけどー。何だかんだで配達とか電話依頼受けたりとか、鉱物の仕分けとかその他モロモロやってますからねえ。あかりさんはそれを見て勝手に覚えて、見よう見真似で仕事出来るようになってるし。掃除もしに来るしー。ジェノバししょーもあかりさんも、仕事すんの好きですよねー。仕事バカっ。あははっ」
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