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「そんなに迷惑……だったのかな」
良かれと思ってやってたけど、ジェノバさんには重荷だったんだ。私が勝手に手伝うのも、休みを取らないのも。気持ちの負担になってたんだ。
猛烈な悲しさが込み上げて来て身体が重たくなり立ち止まった。
タイムくんもすぐに止まり、私を心配そうに見つめる。目を合わせられない。
また泣きそうになって、頭を下げた。
「ごめ、なさぃ」
ジェノバさん。あなたに今、私……どんな顔で会ったら良いのかわかりません。何もかもが怖い。もっとうまくやりたいのに。何でも、平気な顔して笑ってたいのになんでかな。
「あかりさん……」
惨めったらしく泣く私のかがんだ頭を、タイムくんはその小さな手で一生懸命優しく撫でてくれた。優しい。男の人って、みんなそんなに強いのかな。タイムくんは、私よりも全然年下なのに。
タイムくんは、泣き続ける私の手をくいっと引っぱって、ガーデンの隅の花壇の横っちょに座らせてくれた。
私はいつまでも顔を上げられずに、でもタイムくんの腕をぎゅっと掴んで離さなかった。
ジェノバさん、会いたいけど会いたくない。会えない。会いたい。
「あかりさんっ! これ、やっと出来たからって報告貰って。さっきラキュリア先生の所に取りに行った所だったんです。まだ誰も開けてないんですよっ。やっぱり、本人が最初に見るのが一番良いと思うんですよねっ」
え?
タイムくんは、右手に大事そうに持っていたその大きな袋を私にふさっと手渡した。
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