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「じゃあ、あかり」
「は、はいいっ!?」
私に振られるとはまさか思っていませんでしたっ!
「ちょっと! なんなのよおっ! お兄ちゃんってばぁ!」
うぁーっ! っと、折れた鎌を振り回してだだをこねるティラキリーゼさん。そんな彼女を全然相手にしないジェノバさんです……。
「包帯でも巻いておけ」
「見てよっ! 刃がまっぷたつになっちゃったのお~! お願い~! 直してよおーっ!」
「お前、今年に入って何本目だ。どうせまたその馬鹿力で力任せに振ったんだろう。人相手じゃ無いだろうな?」
「ちゃんとモンスターと戦ってた時だもん」
「モンスターが可哀想だ。モンスターと鎌に謝れ。俺にも謝れ」
「なんでよー!? ジェノバっ! 直してくんなきゃ今日はここに泊まっちゃうよっ!」
「勝手にしろ。何も出さんぞ。水すら飲ません」
「酷いよおおー! タイムうううー! お兄ちゃんがああー!」
「ジェノバさん、あの……ティラキリーゼさんに」
お茶くらい。
「あかり、余計な事するなよ」
「は、はいいっ!」
駄目でした。
「お願いーっ! お願いお願いお願いーっ! もう乱暴に扱いませんっ! ちゃんと言われた通りに磨くしっ! 大事にするっ! 川を泳ぐときにも使わないっ! 雨水にさらさないようにするっ! スポーツのラケットの代わりにも使わないからあ~!!」
「お前は武器を便利グッツか何かだと思ってるのか」
「そ……。そんなことわ、ないです、お……?」
「わかった。ティラキ、タイムと二人で今日は鍛冶場の掃除しろ。舐めれる程キレイにな!」
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