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「いや、お前さ。突然すぎるんだよ。いくら幼馴染でもさすがにそれは反応に困るって」
「いやなの?」
「いや……いやじゃないけどさ……」
というか、むしろ嬉しかった。なぜなら俺は、幼少期からずっと一緒にいる風里に対して少しばかりの好意を抱いていたからだ。
高校生(正しくは明日から高校生)にしてはちょっとばかり小さい体と幼い顔。そして後ろでポニーテールにされた艶やかな髪。――外見も全然悪くないし、こんな風に突然告白したりする天然なところも嫌いじゃなかった。――まあ、たしかに〝あっち〟の彼女は少々苦手だが、しかし彼女のそれ以外についてはやっぱり全面的に好きだった。
なかなか俺が返事をしないので心配になったのか、風里が俺の顔を心配そうに眺めていることに気が付いた。なので俺は一息吐いて、言う。
「……まあ、俺はいいよ。付き合っても。俺もお前のことは嫌いじゃないし」
「ほんとに?」
「ああ、嘘じゃない」
確認を取ると彼女は何故だろう、俯いた。なんか変なこと言ったっけな俺? そして次の瞬間にはその小さな肩が震え出し――直後、
「やった――!」
嬉しかっただけか! 心配させやがって! 泣かしてしまったと思って焦ったのに!
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