第1章『小さな賭け』

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 風が頬を掠める……。 寒くないと言ったら嘘になるだろう。 カノジョの唯一の逃げ道である屋上。 カノジョは、この残酷な学校生活から逃げるため、ここにいる。 黒い髪が肩までのび、しっかり制服を着ている。 カノジョはこの学校の一年生。 そしてクラスの外れもの。 カノジョはナミダを制服の袖で拭き、屋上に座り込んだ。 今クラスに戻るとどうなるか考えただけで背筋に寒気がした。 心配してくれる、友達なんてもういない。 カノジョは、一人だった。
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