15歳の俺

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8月14日 この日はおばあちゃんの命日。 俺は棺桶に入ってるあんな痩せ細ったおばあちゃんを見ることが出来なかった。 目には涙が溢れて皆に泣いているとこを見られたくなかった。 お坊さんが、お経を読んでいるときにおばあちゃんとの思い出を次々と思い出してまた涙が頬を滴り落ちていった。 俺は手を合わせながら心のなかで思った。 おばあちゃんごめんなさい。俺おばあちゃんにいつも反抗していつも心配かけて、あんなに心配してくれたのに、俺はいつもおばあちゃんの机を蹴ったり壁に八つ当たりして…本当にごめんなさい。もっといい子ならもっといい人生だったかもしれないのに。 俺はもっと謝りたかった おばあちゃんは俺がどんなに皆に反対をされてもおばあちゃんだけがいつも「大丈夫、晃なら出来るから頑張りなさい」って言ってくれた。それなのに俺はおばあちゃんに悪いことばかりしてたのに俺は心のなかでどうせ俺の機嫌を良くしたいだけだろって思ってた。 ある日 俺は聞いた。 「なんでいつも俺をかばうの?」 おばあちゃんは「そんなのかわいい孫だからだよ。晃がなにしてもおばあちゃんは晃の見方だからね。」ってやさしく言ってくれた。 俺はその"おばあちゃんは晃の見方だからね"がまったく心に響かなかった。 しかし今では、"おばあちゃんは晃の見方だからね"が今の俺の心の支えになっています。 そんな思い出がお坊さんのお経が流れる部屋で椅子に座りながら思い出していた。 今になって後悔している。 あのとき"ありがとう"と言っておけば良かったと。その一言がどれほどおばあちゃんにとって嬉しい言葉だっただろうと。
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