いつもの朝

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マンション暮らしの5人家族   朝起きれば、テーブルの上にはお母さんが作った美味しい朝ごはん   お父さんは、コーヒーを飲みながら新聞を見る   そんな当たり前の風景   だが、今日に限っては少し違っていた   いや、180゚違っていた     「…あ?なんだこれ…?」     最初に起きてくるのは、大抵長男の<黒宮幸>   今日も姉や妹よりも早く起きてきて、テーブルの上にあるそれを見付ける   朝ごはんの中にポツンと置いてある異質な物を     「えー…なになに…"お父さん突然だけど、海外に転勤になっちった♪テヘッ まあ、そんな訳だからお前ら3人で頑張って生活してくれ。なに、金はちゃんと送るから心配しなくても大丈夫だ。ちなみにお母さんは、お父さんと一緒に海外で住むから。じゃあ、頑張って~!"・・・何がなっちった♪テヘッじゃボケェ!!!」     恐らく父親が書いたであろうそれを床にたたき付け声を荒げながら、怒りをあらわにする   そんな声に猫の着ぐるみパジャマを着た1番上の姉の<黒宮咲>が眠たそうに瞼を擦りながら居間に現れた     「幸ちゃん…五月蝿い…今日、日曜日なんだよ?こんな時間からそんな声出したらご近所さんに怒られるでしょーが…それとも、この五月蝿い口をお姉ちゃんの口で塞いでくれ!!って言う意思表示なの?」   「その解釈はおかしい。これ見たら、叫ばずには入られないって」     床にあるそれを広い上げて、姉に渡す   姉は、それを読むと何事も無かったかの様に朝ごはんを食べる為に席に着いた     「いただきます」   「あるれぇ?感想は?」   「幸にぃだけだよ。聞かされてなかったの」     最後に現れた姉と同じ柄の色違いの着ぐるみパジャマを着た妹の<黒宮華>がテーブルに着きながらまさかの一言を言い放った
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